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京都地方裁判所 昭和47年(む)9541号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕一、そこで、先ず右の一般的指定が準抗告の対象となる検察官の処分に該当するか否かを検討するに、前記(二)、(三)に認定した事実に徴すると、元来検察官の接見等についての一般的指定は、被疑者の在監する拘置所長等に対してなされる通告的な性格のものと考えられるので、形式上は一応検察官の処分とは云えないようであるが、他面これが一旦発せられると、後に検察官からこれにつき具体的指定がなされない限り、右の一般的指定を根拠として、拘置所の職員より被疑者と弁護人らとの接見等が一般的に拒否されることを窺い知るに十分であり、また検察官もそれを予定して一般的指定をしているものと認められるから、実質的には被疑者と弁護人らとの接見等を制限し、その効果を生ぜしめているものと云うことができ、従つて、本件の一般的指定は、よしんばそれが京都拘置所長宛になつていて、被疑者あるいは弁護人らに宛てたものではないとしても、その処分たる性質を否定することはできないものと考えるので、これを以て準抗告の対象たる刑事訟訟法三九条三項の処分と認めるのが相当である。

次ぎに進んで、弁護人と被疑者との接見等について案ずるに、身体の拘束を受けている被疑者と弁護人らとの接見等については、これが原則として自由になし得ることは同法三九条一項の明定するところであり、ただこれに対する例外の場合として同条三項は、検察官らが捜査のため必要があるときは、所定の条件のもとに検察官が右の接見等の日時・場所及び時間を指定することができる、としている。換言すれば、右三項の接見等についての具体的な指定がなされた場合には、その反面、右の指定された日時・場所及び時間以外における接見等は禁止されることになるけれども、かかる指定のないときは、右一項の原則によつて、接見等は当然自由になされなければならない筋合であるに拘わらず、何ら法律上の根拠のない右の一般的指定によりこの自由が甚しく制限を受けることになり、しかも、それが右に述べた原則と例外とが入れ替るという、本末顛倒の重大な結果を招来することにかんがみれば、これは正しく右一項の規定の趣旨に反するとともに右三項で認められた検察官の権限を逸脱した違法なものと云わなければならない(もつとも、前記(三)に認定したとおり、右の一般的指定及びこれに伴う具体的指定が相当長期間にわたつて行なわれてきて殆んど慣行化していたこと、また検察官は、本件につきこれまで二回にわたつて海藤弁護人に対し接見等について具体的指定をしているが、そのことの故を以て本件の一般的指定の違法性を治癒せしめるものとは解されない)。

以上の理由により、右の一般的指定は、検察官の処分に該当し、しかも、それが被疑者と弁護人らとの接見等の自由を侵害する違法なものであることが明らかであるから、その取消を求める本件準抗告の申立は理由がある。(鈴木盛一郎)

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